VR PHOTO EXHIBITION Vol.4 振り返り

先日まで展示されていたVR PHOTO EXHIBITION Vol.4のリアルの展示期間が終わりましたので、ちょっぴり振り返りをさせていただこうと思います

入選発表

なんとなくですが、結果が発表される前から入選する機運を感じていました
なのでエントリー前のかなり早い段階で仕事の休みを取りました。(アホと言ってくださっていい)
なんならエントリー前からやや確信があり、審査の方に自分の作品を知ってもらいたくてポートフォリオを立ち上げたりしました

VRフォト仲間の天瀬さんとは発表直前にDiscordでチャットをしていて、彼女はめちゃめちゃソワソワしていたのをよく覚えています。ごめんな。俺はソワソワしてなかったんだ。何故か確信があったから…

準備~入稿まで

入稿までは結構トラブルがありました
エントリー前は予測出来なかった様々な事件があり、リアルがとても忙しく今回の展示作品やフォトブックに収録した作品のほとんどは過去作品となってしまいました。いくつかのワールドは思い入れもあり新規で撮りおろしたものもありますが、当初は大部分が新規になるはずでした
また、非営利目的とは言え物販する都合、各アセット作者の方に事前に許諾を取るのも他の参加者の方といっしょに口をそろえて大変だ~!となったりもしました

入稿当日に急遽利用できなくなった画像が発生したのも今となっては思い出です(?)

入稿後~展示まで

先にも書いた通り休みを取っていたのでなるべく在廊させていただきました。見に来てくださった方は本当にありがとうございました
Xの方でもチラッとこぼしましたが、フォトウォールやメッセージノートの書き込みが増えるのが本当に嬉しかったです。本当は最終日にも行って最後に確認させていただきたかった…

実はわたしはVR PHOTO EXHIBITIONにはかなりつよい思い入れがありました
「俺はrocksuchの作品をきっかけにVRフォトやってる」というようなことを何度か口にしています
そのrocksuchさんのVRフォトを初めて生で見たのはVR PHOTO EXHIBITION Vol.2だったのです。当時は本当に信じられないことでしたが、VR PHOTO EXHIBITION Vol.3で同じ会場に展示されたときは夢でも見ているようだった
いまでこそ自分の作風があるけれども、わたしの世界観の根底には確実に彼の作品が影響を受けた部分がありましたから、気合い入れて挑みたい、積極的に出来ることは何でもしたいイベントの一つなのです
あいにく様々な事情から自身の最高打点を出し切れる結果とはなりませんでしたが、それでもできることをやりきったという部分では納得しています
もしもまた、こうして何処かに作品を出せる機会があったなら、そのときは自分のすべてが出し切れるよう、今日このときの自分の思いと経験を胸に挑みたいと思います

作品の解説

いずれの画像もクリックで拡大されます

展示パネルグッズ

展示パネル

左上

【消え入る】
撮影ワールド:星が降る夜に。 by PhysisKITE
こちらの作品はVR PHOTO COMPETITION(2024)に提出した作品の一つです
EXHIBITION Vol.3のときは別の作品が選ばれましたが、個人的には気に入っている作品の一つでどうしてもパネル化しておきたかったものです。
撮影当時もやや忙しい時期でVRChatにログインする機会が減っていて、VRの世界から消え入りそうな自分の表現するべくINTEGRALを使って多重露光を用いることで自身のアバターの足もとがうっすら消えているような描写を演出しました。雪が降りしきる踏切とそれを照らす街灯、ぽつんと置いてある傘という非常に少ない要素ながら大変素敵な雰囲気が感じられる美しいワールドです

左下

【BLUE】
撮影ワールド:liminarias by gin_iro
現在のわたしの作品を代表するような作品です
この作品の特徴は万華鏡の中に全天球カメラをめり込ませ、万華鏡の幾何学的な部分をぐにゃりと大胆に曲げることでVRならではの新しいアート作品として昇華したという部分です
また、VRChat標準カメラのフィルタ機能を使って青写真のような色合いとして撮影し、そのうえで更にレタッチで色味を自身の好みである青緑に寄せてみました
およそ他の人がしないであろう「何をどう撮ったらこのようなことになるのか」というような作品ですが、万華鏡を側面から覗き込んだ空間をも被写体とするVRならではという部分を作品として結実させることができたな…と個人的に大満足した作品です
ちょうどお正月の頃に撮影したもので、着物とアウターを組み合わせた現在のアバター改変のプロトタイプが被写体として盛り込まれています
そうなんです。アバター写真なんです

右上

【KALEID^2】
撮影ワールド:Aquatic Wishes by minhoです
こちらは万華鏡を素直に使用した…と思われる作品です。というのも、これは単にワールド内で撮影したわけではなく、ワールド内でVRChat+の機能である「プリントカメラ」で撮影して、別のワールドでプリントを更に万華鏡を通して撮影したものだから、“思われる"としています
万華鏡を2度通しているので「カレイドヘックスツー」(万華鏡の二乗)です
作品右上の煌々と輝く白系の三角はプリントの角です。言わなきゃわかんないでしょ?

右下

【VirtualReality】
撮影ワールド:Neon Territory by Ende
実はネオンが好きです。この作品はkaihenにて行われたマリシアコーデコンテストに提出した作品です
VRで利用するアバターにVR機器を着用させるというものをいつかやってみたいと思っていたのですが、思いのほかワールドとマッチして楽しく撮影出来ました
最近はAvatarPoseSystemを利用した作品が多いですが、これは実はわたしがパワーで普通にポーズ取ってます
ところでこのアバター改変のきっかけはマリシアコスプレ集会という何らかのコスプレ改変を施したマリシアのアバター集会だったのですが、テーマは「お前ら」です。身体中に謎の機械をつけて夜な夜な暗い部屋で遊ぶ謎の成人。そう、我々ですね

グッズ

フォトブック表紙

【None】
撮影ワールド:プライベートワールド
わたしのセカンドホームワールドにある撮影用の白幕にカメラを向けました。つまり、何も写していません
いやいやその黒い球はなんだと言われると思いますが、これはINTEGRALのVignetting(口径食)を100%にしてSingleフレームで撮影した後、INTEGRALのバグ挙動を用いて色を反転させたりしなかったりしながら出来上がったものです。カメラの機能だけで撮影したので、被写体はないんですね
でも撮影結果には何かが写っている。これをなんと呼ぶかはわたしにもわからない。とりあえずは「虚無を撮った」と言っています

ポストカード上段中央

【reminiscent】
撮影ワールド:オモイデに沈む前に -Before It Sinks in Memories- by Atto_あっと
VRChatを始めた日、JPTutorialの次に案内人に誘われるまま訪れた思い出のワールド
今は案内してくれた方と遊ぶ機会は随分減ってしまいましたが、このワールドでVRの空間表現を知り、魅力を感じていなかったら今のわたしはいないかもしれません

ポストカード上段右

【Sphere】
撮影ワールド:天気雨のワルツ-Sun shower’s Waltz by HANI.
HANI.さんのワールドはどれも美しい。これもわたしの少し変わった特徴を持った作品と言えるでしょう
一見すると本展示の作家さんであるもんでぃーさんの宙玉作品と似ているようにも見えるこの作品は全天球カメラの半分程度のみを万華鏡にめり込ませることで万華鏡の外装を円形として捉え、さも球体のように見せています
ワールド自体の天気雨の美しい空模様も写したかったし、橋という構造体を全天球カメラで迫力のある写し方もしたかったし、万華鏡も使いたかったし、とりあえずやりたかったから全部やってみた感じです。でも綺麗でしょ?

ポストカード下段段中央

【指先】
撮影ワールド:プライベートワールド
わたしのただちょっと暗いだけの自作ワールドで撮影した写真
アバターのマテリアルを差し替えて、近くで見た時のディテールを向上させたので指先を撮ってみたいと思ってカメラに指を向けたわけです
トリミングも相まってなんだかちょっとなまめかしい気がしますが、本当は目元も写っているんです
森羅というアバターは美しい指先をしているなぁと、いまでもふと指を眺めてしまうことがあります。ちょっとしたフェチズムかも

※フォトブック収録分の作品はバーチャル展示が終了後にご紹介させていただく予定です。

Hugo で構築されています。
テーマ StackJimmy によって設計されています。